以前は高齢者の訴えに多かった膝の痛みですが、最近は若い人でも訴える方がとても増えました。
特に中年の女性とスポーツをする小中学生。
膝の痛みの原因は膝にはない!?
膝の痛みの原因の多くは、歩行などの動作中に膝が捻じれることによって起こりますが、
特に体重をかけると膝が内側に入る『ニーイン』になると膝が捻じれます。
《ニー》・・・膝
《イン》・・・内へ
ということです。
最近はほとんどの患者さんの膝が捻じれており、膝痛予備軍の方ばかりでとても心配です。膝の捻じれを予防できるマシンなどを開発できたらいいなと思っているこの頃です。
膝が捻じれる原因は大きく分けて二種類あります。
一つは、土台となる足の崩れからくるもの。
(上行性運動連鎖 この言葉は分からなくても大丈夫です。)
二つ目は、根本となる股関節からくるのも。
(下行性運動連鎖)
股関節からくる膝の痛みについて解説していきます。
【1、チェックしてみよう!!】
目の前に鏡を置きます。
痛い方の右足を一歩前に出します。右足に体重を乗っけていきます。この時右足の指の向きが正面を向き、膝の向きも同じ正面を向くのが正常です。
どうですか?
膝頭の向きが極端に内側に向いていませんか?そうです。この時に足の向きと、膝の向きが揃っていないので、膝が捻じれて痛みが出てしまうのです。
【2、ではなぜニーインしてしまうのか】
原因は、股関節の外側の筋肉の問題と内側の筋肉の問題の双方から起こります。
股関節周りにある、股関節を定位置に維持する筋肉(中殿筋)や股関節を外に捻る筋肉(股関節外旋筋)が弱くなることによって起こります。これらの赤く示されている筋肉は収縮すると股関節を外に捻る方向に働きますよね。
ところが筋力が弱くなると、股関節に体重がかかると定位置に維持できず、内側に入り込んでしまうのです。また内股の筋肉(内転筋)が硬くなることによって、太ももが内に引っ張られることも原因です。
ニーインの改善方法は?
外側の外旋筋については、チューブトレーニングなどで刺激を入れて、日常生活で使いやすくしていきます。
本格的に筋トレをしなくても大丈夫です。筋肉は脳から運動神経を介しての電気信号によって動きます。
ですので、使う習慣を思い出させてあげれば、日常生活でも徐々に使えるようになっていきます。
内側の内転筋については、手技で緊張をとってあげます。なぜ、股関節周りの筋肉が弱くなったのか真相は分かりませんが、やはり現代の便利な生活への変化で、例えば和式のトイレを使用するときのような踏ん張る姿勢を普段からしなくなったせいではないでしょうか?
皆さんどう思いますか??
足と姿勢と食べ物を変えて、未来を変えていきましょう!!