松山市の整体なら「はぐくま整骨院・鍼灸院」

めまいと血圧が高い症状でお悩みではありませんか。実は首や肩の筋肉の緊張、姿勢の歪みが血圧を上昇させ、めまいを引き起こしている可能性があります。この記事では、整骨院の施術がなぜこれらの症状改善に有効なのか、その理由と具体的なアプローチ方法を詳しく解説します。頸椎の調整や筋肉の緊張緩和によって血流が改善され、自律神経のバランスが整うメカニズムから、自宅でできる予防法まで、根本から改善するための情報をお伝えします。

1. めまいと血圧高い症状の関係性とは

日常生活を送る中で、ふとした瞬間にめまいを感じたり、頭がぼんやりする感覚に襲われたりすることはないでしょうか。そうした症状と同時に血圧が高めだと指摘されている場合、両者の間には密接な関係があるかもしれません。実は血圧の上昇とめまいは、単独で起こる症状というよりも、身体の中で複雑に絡み合った結果として現れることが多いのです。

多くの方が抱える誤解として、血圧が高いこと自体が直接めまいを引き起こすと考えがちですが、実際のメカニズムはもう少し複雑です。血圧の数値と体感する症状との間には、自律神経系や筋骨格系の状態が深く関わっています。特に首や肩周辺の筋肉の緊張状態、姿勢の歪み、日々のストレスなどが重なることで、血圧の変動とめまいの両方が同時に現れることがあります。

1.1 血圧が高いとめまいが起こる理由

血圧が高い状態が続くと、身体にはさまざまな変化が起こります。血圧とは血管の壁に加わる圧力のことを指しますが、この圧力が常に高い状態にあると、血管そのものに負担がかかり続けることになります。特に脳への血流に関わる血管に影響が及ぶと、脳が必要とする酸素や栄養素の供給バランスが崩れてしまいます。

脳内の血流バランスが乱れることで、平衡感覚を司る内耳や脳幹部分への血液供給が不安定になり、めまいという症状として現れることがあります。特に急に立ち上がったときや、首を急に動かしたときなどに症状が出やすいのは、血圧の急激な変動が関係しているためです。

ただし、注意したいのは血圧が高いからといって必ずめまいが起こるわけではない点です。むしろ問題なのは、血圧の変動幅が大きいことや、血圧調整機能そのものがうまく働いていない状態です。正常な身体であれば、姿勢の変化や運動に応じて血圧は柔軟に調整されますが、この調整機能が低下していると、ちょっとした動作でも血圧が乱高下し、それに伴ってめまいが生じやすくなります。

血圧の状態 身体への影響 めまいとの関連性
常に高い状態が続く 血管壁への持続的な負担、脳血流の変化 慢性的なふらつき、頭重感
変動幅が大きい 血圧調整機能の低下、自律神経の乱れ 立ちくらみ、回転性のめまい
急激な上昇 一時的な脳血流の増加、血管への負荷 突発的なめまい、吐き気

さらに見逃せないのが、首の骨である頸椎周辺の状態です。頸椎の周りには脳へと向かう重要な血管が通っており、この部分の筋肉が過度に緊張していたり、骨の位置関係に歪みがあったりすると、血管が圧迫されて血流が妨げられることがあります。この状態では、たとえ心臓から送り出される血液の圧力が高くても、脳に届く血液量は必ずしも十分ではなくなってしまいます。

整骨院で施術を受ける方の中には、肩こりや首のこりがひどくなると同時に、めまいや頭痛、そして血圧の上昇を感じるという方が少なくありません。これは筋肉の緊張が血管を圧迫し、身体が血流を確保しようと血圧を上げることで起こる反応だと考えられます。つまり、血圧の上昇は身体が血流不足を補おうとする代償反応である可能性もあるのです。

1.2 自律神経の乱れによる影響

めまいと血圧の問題を語る上で、自律神経の働きを理解することは欠かせません。自律神経とは、私たちの意識とは無関係に内臓や血管の働きを調整している神経系のことです。この神経系は交感神経と副交感神経という相反する働きを持つ二つの系統から成り立っており、両者のバランスによって血圧や心拍数、消化機能などが絶妙にコントロールされています。

現代社会において多くの方が抱えているのが、この自律神経のバランスの崩れです。仕事や人間関係でのストレス、不規則な生活リズム、睡眠不足、運動不足など、さまざまな要因が重なることで、交感神経が過剰に働き続ける状態になりがちです。交感神経が優位な状態では、血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。

同時に、自律神経の乱れは平衡感覚にも大きな影響を及ぼします。内耳にある三半規管という器官は、身体の傾きや回転を感知する重要な役割を担っていますが、この部分への血流や神経伝達は自律神経によってコントロールされています。自律神経のバランスが崩れると、三半規管からの情報が正しく脳に伝わらず、実際には動いていないのに動いているような感覚、つまりめまいを感じることになります。

姿勢の問題も自律神経に深く関わっています。特にデスクワークやスマートフォンの使用で前かがみの姿勢が続くと、首の骨のカーブが失われ、頸椎を通る自律神経の働きが妨げられます。頸椎の中を通る脊髄からは、自律神経の枝が各臓器へと伸びていますが、頸椎の位置が本来の状態からずれていると、これらの神経への圧迫やストレスが生じ、全身の自律神経バランスに影響を与えてしまうのです。

整骨院での施術では、この姿勢と自律神経の関係に着目したアプローチを行います。身体の土台となる骨盤や背骨の位置を整え、首や肩の筋肉の緊張を和らげることで、自律神経が正常に働きやすい環境を作ることができます。施術を受けた後に、身体が軽く感じたり、呼吸が楽になったりするのは、自律神経のバランスが整い始めているサインかもしれません。

自律神経の状態 身体に現れる症状 血圧への影響
交感神経優位が続く 筋肉の緊張、不眠、イライラ、めまい 血圧の上昇傾向
副交感神経が働きにくい 消化不良、疲労回復の遅れ、集中力低下 血圧の調整機能低下
切り替わりがうまくいかない 立ちくらみ、動悸、冷や汗、ふらつき 血圧の変動が大きくなる

自律神経の乱れを放置すると、めまいや血圧の問題だけでなく、睡眠の質の低下、消化器系のトラブル、慢性的な疲労感など、さまざまな不調が連鎖的に起こってくることがあります。だからこそ、めまいや血圧の異常を感じたときは、それを単独の症状として捉えるのではなく、身体全体のバランスが崩れているサインとして受け止めることが大切です。

1.3 放置すると危険な症状の見分け方

めまいや血圧の異常は、多くの場合、生活習慣の改善や適切な施術によって改善が期待できる症状です。しかし、中にはすぐに専門的な対応が必要な状態もあります。どのような症状が現れたときに注意が必要なのか、その見分け方を知っておくことは、自分の身体を守る上で非常に重要です。

まず注意すべきなのは、突然の激しいめまいに加えて、激しい頭痛や吐き気、手足のしびれや力が入らない状態が同時に起こる場合です。このような症状が現れた場合は、脳内の血管に何らかの異常が起きている可能性があるため、速やかに救急対応が必要です。特に高血圧の方では、このような症状に注意を払う必要があります。

また、めまいが数日間続いて改善の兆しが見られない場合や、日常生活に支障をきたすほどの症状である場合も、慎重な対応が求められます。めまいには一過性のものもあれば、内耳の病気や脳の問題が隠れている場合もあるため、症状の経過をしっかりと観察することが大切です。

血圧に関しては、測定値があまりにも高い状態が続く場合や、短時間のうちに大きく変動する場合は注意が必要です。具体的な数値の判断については専門的な評価が必要ですが、普段よりも明らかに高い数値が続く場合や、測定するたびに大きく数値が変わる場合は、適切な対応を検討する必要があります。

症状のタイプ 注意すべきポイント 対応の目安
激しい回転性めまい 突然発症、吐き気を伴う、数時間以上続く 早めの専門的評価が必要
慢性的なふらつき 数週間続く、悪化傾向がある、日常生活に支障 身体の状態を総合的に評価
一過性の立ちくらみ 起き上がったときだけ、すぐに回復する 姿勢や生活習慣の見直し

整骨院での施術が適しているのは、主に筋骨格系の問題や自律神経のバランスの乱れに起因するめまいや血圧の変動です。施術を受けても症状が改善しない場合や、施術中に症状が悪化する場合は、他の原因が隠れている可能性を考慮する必要があります。

日頃から自分の身体の状態を観察する習慣をつけることも大切です。めまいが起こるタイミング、血圧が上がりやすい状況、症状が和らぐ条件などを記録しておくと、症状の原因を特定しやすくなります。例えば、長時間同じ姿勢でいた後にめまいが起こりやすい、ストレスの多い日に血圧が上がる、首を動かすとめまいが増すなど、パターンが見えてくることがあります。

こうした情報は、整骨院での施術方針を決める上でも非常に役立ちます。どのような状況で症状が現れやすいかを把握できれば、その原因となっている身体の部位や筋肉の緊張パターンを特定しやすくなり、より効果的な施術につなげることができるのです。

また、生活の中で急に症状が現れたときの対処法を知っておくことも重要です。めまいを感じたらまずは安全な場所で座るか横になる、深呼吸をして気持ちを落ち着ける、首や肩をゆっくりと回して筋肉の緊張を和らげるなど、簡単にできる対処法を覚えておくと、症状が悪化するのを防げることがあります。

自分の症状が整骨院での施術に適しているかどうか判断に迷う場合は、まずは相談してみることをおすすめします。経験豊富な施術者であれば、症状の話を聞いただけでも、どのような対応が適しているか、ある程度の見通しを立てることができます。無理に施術を進めるのではなく、必要に応じて他の対応を勧めることも、責任ある施術者の役割です。

2. 整骨院でめまいと血圧高い症状を改善できる理由

めまいと血圧の高さに悩んでいる方の多くが、薬だけでは根本的な改善が難しいと感じています。実は、これらの症状は身体の構造的な問題や筋肉の緊張と深く関わっており、整骨院での施術が有効なケースが少なくありません。

身体の土台となる骨格や筋肉のバランスが崩れると、血液の循環や神経の働きに影響を及ぼします。特に首から肩にかけての領域は、脳への血流や自律神経の中枢に近い重要な部位です。整骨院では、この身体の土台部分にアプローチすることで、めまいや血圧の問題を根本から改善していくことができます。

2.1 首や肩の筋緊張が血圧に与える影響

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、現代人の首や肩周りの筋肉は常に緊張状態にあります。この筋肉の緊張が、実は血圧の上昇と深い関係を持っているのです。

首周りには太い血管や重要な神経が密集しており、筋肉が硬くなると血管を圧迫して血液の流れが滞ります。心臓は全身に血液を送り出そうとして、より強い力で血液を押し出さなければならなくなります。この状態が続くと、慢性的に血圧が高い状態が続いてしまうのです。

特に注目すべきは、胸鎖乳突筋と斜角筋という首の筋肉です。胸鎖乳突筋は耳の後ろから鎖骨にかけて走る筋肉で、頭を支える重要な役割を果たしています。この筋肉が緊張すると、首の可動域が制限されるだけでなく、周囲の血管や神経を圧迫します。斜角筋は首の側面にある筋肉で、呼吸にも関わる重要な筋肉ですが、ここが硬くなると鎖骨下動脈という太い血管が圧迫され、脳への血流が低下します。

脳への血流が不足すると、身体は防御反応として血圧を上げようとします。同時に、血流不足によってめまいやふらつきといった症状も現れます。つまり、首や肩の筋緊張が、めまいと血圧上昇の両方を引き起こす共通の原因になっているケースが多いのです。

筋肉の部位 緊張による影響 引き起こされる症状
胸鎖乳突筋 頸動脈周囲の圧迫、頭部の血流低下 めまい、頭痛、血圧上昇
斜角筋 鎖骨下動脈の圧迫、腕への血流障害 めまい、手のしびれ、血圧変動
僧帽筋上部 首の動きの制限、筋膜の緊張 肩こり、後頭部の重さ、血圧上昇
後頭下筋群 頭部と首の境目の硬直、神経圧迫 めまい、眼精疲労、血圧不安定

整骨院では、これらの筋肉の緊張を丁寧にほぐしていくことで、血管への圧迫を解放します。筋肉が柔らかくなると血液の流れがスムーズになり、心臓が過度に力を入れる必要がなくなります。その結果、自然と血圧が下がり、脳への血流も改善されてめまいの症状も軽減していくのです。

さらに、首の筋肉の緊張は頭の重さを支える負担からも生じています。成人の頭部は約5キログラムもの重さがあり、首が前に傾く姿勢では、その何倍もの負荷が首にかかります。施術によって首の筋肉の負担を減らすとともに、正しい姿勢を取り戻すことで、筋緊張の再発を防ぐことができます。

2.2 姿勢の歪みと自律神経の関係

姿勢の歪みがめまいや血圧に影響を与えるという事実は、あまり知られていません。しかし、背骨の並びが崩れることで、身体の機能を調整する自律神経に大きな負担がかかってしまいます。

自律神経は、交感神経と副交感神経の二つから成り立っており、呼吸や心拍、血圧、消化などの生命維持に必要な機能を無意識のうちに調整しています。この自律神経の中枢は脳と脊髄にあり、背骨の中を通って全身に分布しています。

背骨が歪んだり、骨盤が傾いたりすると、脊髄やそこから出る神経が圧迫されて、自律神経のバランスが崩れてしまいます。特に猫背や反り腰といった姿勢の問題は、胸椎や腰椎の配列を乱し、そこを通る交感神経の働きを過剰にしてしまいます。

交感神経が優位になると、身体は常に緊張状態になります。心拍数が上がり、血管が収縮し、血圧が上昇します。同時に、内耳の血流も悪化して、平衡感覚を司る三半規管の働きが鈍くなり、めまいが起こりやすくなります。

頭が前に出る姿勢は、特に問題です。パソコンやスマートフォンを見る際に無意識に取ってしまうこの姿勢では、頭の重心が前方に移動し、首から背中にかけての筋肉が常に緊張します。この状態が続くと、頸椎の自然なカーブが失われ、ストレートネックと呼ばれる状態になります。

ストレートネックになると、首の骨の間から出る神経が圧迫されやすくなります。頸椎の上部からは、頭部への血流を調整する神経や、平衡感覚に関わる神経が出ています。これらの神経が圧迫されると、めまいが生じやすくなり、血圧の調整もうまくいかなくなります。

姿勢の問題 自律神経への影響 現れる症状
猫背 胸椎の圧迫、交感神経の過緊張 動悸、血圧上昇、不安感
ストレートネック 頸部の神経圧迫、血流障害 めまい、頭痛、血圧不安定
骨盤の傾き 腰椎の歪み、自律神経のバランス崩れ 疲労感、消化不良、血圧変動
左右の肩の高さの違い 胸郭の歪み、呼吸機能低下 息苦しさ、めまい、血圧上昇

整骨院での施術では、骨盤や背骨の位置を整えることで、自律神経が通る道筋をスムーズにします。骨格が正しい位置に戻ると、神経への圧迫が取れて、交感神経と副交感神経のバランスが自然と整っていきます。

さらに、姿勢が改善されると、呼吸も深くなります。猫背の状態では胸郭が圧迫されて、浅い呼吸しかできません。浅い呼吸は交感神経を優位にして、血圧を上げる要因になります。一方、背骨がまっすぐに整うと、肺が十分に膨らむことができ、深い呼吸が可能になります。深い呼吸は副交感神経を活性化させ、リラックス状態を作り出して、血圧を下げる効果があります。

姿勢の改善は一度の施術で完了するものではありません。長年の習慣で作られた身体の歪みは、継続的なケアによって徐々に正していく必要があります。整骨院では、定期的な施術と並行して、日常生活での姿勢の取り方や身体の使い方についても指導を行います。

2.3 整骨院の施術で期待できる効果

整骨院での施術は、めまいや血圧の問題に対して多角的なアプローチを行います。単に症状を抑えるのではなく、その原因となっている身体の構造的な問題を改善していくことで、根本的な解決を目指します。

まず第一に期待できるのが、血液循環の改善による症状の軽減です。首や肩の筋肉をほぐし、骨格を整えることで、脳への血流がスムーズになります。脳への血流が改善されると、めまいやふらつきが軽減され、血圧を無理に上げる必要もなくなります。施術を受けた直後から、頭がすっきりして視界が明るくなったと感じる方が多いのは、この血流改善の効果です。

次に、自律神経のバランスが整うことで、身体全体の機能が正常化します。交感神経の過剰な働きが抑えられると、血管の収縮が緩み、自然と血圧が下がっていきます。同時に、副交感神経が適切に働くようになることで、リラックスした状態を作りやすくなり、睡眠の質も向上します。良質な睡眠は身体の回復を促し、血圧の安定にもつながります。

筋肉の緊張がほぐれることで、痛みやコリといった不快な症状も軽減されます。慢性的な肩こりや首の痛みは、それ自体がストレスとなって交感神経を刺激し、血圧を上げる要因になっています。施術によってこれらの症状が改善されると、精神的なストレスも軽減され、血圧の安定につながります。

施術による効果 身体の変化 症状への影響
筋緊張の緩和 血管の圧迫解放、血流改善 めまいの軽減、血圧の低下
骨格の調整 神経圧迫の解消、姿勢改善 自律神経の安定、血圧の正常化
関節可動域の拡大 筋肉の柔軟性向上、循環促進 動作時のめまい減少、血圧変動の安定
身体バランスの改善 重心の安定、筋負担の軽減 平衡感覚の向上、血圧の安定

姿勢が改善されることで、日常生活の質も大きく向上します。正しい姿勢を維持できるようになると、身体への負担が減り、疲れにくくなります。また、内臓の位置も正常に保たれるため、消化や呼吸といった基本的な機能も向上します。これらの変化は、身体全体の健康状態を底上げし、血圧の安定やめまいの予防につながります。

整骨院での施術は、身体の持つ自然治癒力を引き出す働きもあります。骨格が整い、筋肉が柔らかくなり、血液の流れが良くなると、身体は本来持っている回復力を発揮しやすくなります。栄養や酸素が全身に行き渡り、老廃物の排出もスムーズになることで、細胞レベルでの健康が保たれます。

さらに、施術を受けることで身体への意識が高まり、自分の身体の状態を客観的に把握できるようになります。どの部分が硬くなっているのか、どんな動作で負担がかかっているのかを理解することで、日常生活での身体の使い方を見直すきっかけになります。この気づきは、症状の再発を防ぐために非常に重要です。

呼吸の質が向上することも、見逃せない効果です。背骨や肋骨の動きが改善されると、肺が十分に膨らむことができるようになり、一回の呼吸で取り込める酸素の量が増えます。酸素供給が増えると、脳や心臓の負担が減り、血圧の上昇を防ぐことができます。また、深い呼吸はリラックス効果をもたらし、自律神経のバランスを整える働きもあります。

施術による痛みの軽減は、精神面にも良い影響を与えます。慢性的な痛みやめまいに悩まされていると、不安や憂うつな気分になりがちです。施術によって症状が改善されると、気持ちも前向きになり、活動的な生活を送れるようになります。精神的なストレスの軽減は、交感神経の過剰な働きを抑え、血圧を安定させる効果があります。

整骨院の施術は、単発で終わるものではなく、継続的に受けることで効果が積み重なっていきます。初回の施術で症状が軽減しても、長年の生活習慣で作られた身体の歪みや筋肉の癖は、すぐには完全に改善されません。定期的に施術を受けることで、少しずつ身体が本来あるべき状態に近づいていき、めまいや血圧の問題が根本から解決されていきます。

また、施術を受けながら、日常生活での身体の使い方や姿勢についての指導を受けることで、自分自身でも症状をコントロールする力が身につきます。セルフケアの方法を学ぶことで、施術と施術の間も良好な状態を維持でき、改善のスピードが加速します。

整骨院での施術は、めまいと血圧の問題に対して、身体の構造と機能の両面からアプローチします。筋肉や骨格という目に見える部分だけでなく、血液循環や神経の働きという目に見えない部分にも働きかけることで、総合的な改善を実現するのです。

3. めまいと血圧高い症状の主な原因

めまいと血圧が高い状態が同時に現れる場合、身体の中で複数の要因が絡み合っていることが多くあります。単に血圧の数値だけの問題ではなく、身体の構造的な問題や日々の生活から受ける影響が深く関わっているのです。

当院に来られる方の多くは、めまいと血圧の高さを別々の問題として捉えていらっしゃいますが、実際には共通の根本原因から生じていることが少なくありません。ここでは、整骨院の視点から見た主な原因について詳しく解説していきます。

3.1 頸椎のズレによる血流障害

頸椎は首の骨のことで、全部で7つの骨が積み重なって構成されています。この頸椎のわずかなズレや配列の乱れが、めまいと血圧の上昇に大きく関わっているケースが非常に多く見られます。

頸椎の中には椎骨動脈という重要な血管が通っており、この血管は脳へ血液を送る主要なルートの一つとなっています。頸椎がズレると、この椎骨動脈を圧迫したり、血流の流れを妨げたりすることがあります。

脳への血流が十分でなくなると、身体は血圧を上げることで脳に必要な血液を送ろうとします。これが慢性化すると、常に血圧が高い状態が続くことになります。同時に、脳への血流が不安定になることで、めまいやふらつきといった症状も引き起こされるのです。

頸椎の状態 身体への影響 現れやすい症状
頸椎1番・2番のズレ 脳幹部への圧迫、椎骨動脈の血流低下 回転性のめまい、頭痛、血圧の急上昇
頸椎3番・4番のズレ 自律神経の伝達障害、首周辺の筋緊張 浮動性のめまい、肩こり、血圧の不安定さ
頸椎5番・6番・7番のズレ 肩や腕への神経圧迫、姿勢の崩れ 立ちくらみ、腕のしびれ、慢性的な血圧上昇

頸椎のズレは、交通事故やスポーツでの衝撃といった大きな外力だけでなく、日常の何気ない姿勢からも生じます。長時間のデスクワークでパソコン画面を見続ける姿勢、スマートフォンを見下ろす姿勢などが積み重なることで、徐々に頸椎の配列が乱れていくのです。

特に問題となるのは、ストレートネックと呼ばれる状態です。本来であれば首は緩やかなカーブを描いているのですが、このカーブが失われて真っ直ぐになってしまうと、頭の重さを首の筋肉だけで支えることになります。成人の頭部は約5キロもの重さがあり、これを筋肉だけで支え続けることは大きな負担となります。

この負担により首周辺の筋肉が常に緊張状態となり、筋肉の中を通る血管も圧迫されます。筋肉の緊張による血管の圧迫は、血液の流れを妨げて血圧を上昇させる要因となるのです。

また、頸椎のズレは内耳への血流にも影響を及ぼします。内耳は身体のバランスを保つために重要な器官で、ここへの血流が不足すると、めまいの症状が現れやすくなります。回転性のめまいだけでなく、フワフワとした浮遊感や、立ち上がった時の立ちくらみなども、頸椎のズレと関連していることが多くあります。

3.2 慢性的なストレスと身体の緊張

現代社会において、ストレスは避けられないものとなっています。仕事上のプレッシャー、人間関係の悩み、将来への不安など、私たちは日々様々なストレスに晒されています。このストレスが慢性化すると、身体は常に緊張状態を保つようになり、これがめまいと血圧上昇の大きな原因となっているのです。

ストレスを受けると、身体は交感神経が優位な状態になります。交感神経は、危機的な状況に対応するための神経系で、心拍数を上げ、血圧を上昇させ、筋肉を緊張させます。これは本来、短期的な危機に対応するための反応なのですが、ストレスが慢性化すると、この状態が常に続くことになってしまいます。

交感神経が過剰に働き続けると、血管が収縮した状態が続き、血圧は常に高い状態を保つことになります。同時に、自律神経のバランスが崩れることで、めまいやふらつきといった症状も引き起こされるのです。

ストレスの種類 身体への影響 筋肉の緊張部位
精神的ストレス 交感神経の過剰な働き、ホルモンバランスの乱れ 首、肩、背中上部
身体的ストレス 筋肉の過緊張、血流の悪化 使いすぎた部位全体
環境的ストレス 体温調節の乱れ、自律神経の不調 全身の筋肉

ストレスによる身体の緊張は、特に首や肩、背中に現れやすい傾向があります。緊張した筋肉は硬くなり、血管を圧迫します。すると、その部位の血流が悪くなるだけでなく、心臓はより強い力で血液を送り出そうとするため、血圧が上昇していくのです。

実際に施術を行っていると、ストレスを抱えている方の首や肩の筋肉は、驚くほど硬くなっていることがあります。触れただけで痛みを感じるほど緊張している場合もあり、その状態が長く続くことで、めまいと血圧上昇という症状として現れているのです。

また、ストレスは呼吸にも影響を与えます。ストレスを感じると、無意識のうちに呼吸が浅く速くなります。浅い呼吸が続くと、身体に十分な酸素が行き渡らず、脳も酸素不足の状態になります。これがめまいの一因となることもあります。

さらに、慢性的なストレスは睡眠の質を低下させ、身体の回復力を弱めます。十分な休息が取れないと、筋肉の緊張はより強まり、自律神経の乱れも悪化していきます。この悪循環が、めまいと血圧上昇を慢性化させる要因となっているのです。

ストレスによる身体の緊張は、本人が自覚していないことも多くあります。日々の忙しさの中で、自分の身体の状態に気づかないまま過ごしている方が多いのです。しかし、身体は正直で、めまいや血圧上昇という形でサインを送っているのです。

3.3 生活習慣による自律神経の乱れ

自律神経は、私たちが意識しなくても身体の様々な機能を調整している神経系です。心臓の拍動、血圧の調整、消化活動、体温調節など、生命維持に必要な機能を24時間休むことなくコントロールしています。この自律神経が乱れると、めまいと血圧上昇という症状が現れやすくなります。

自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経系から成り立っています。交感神経は活動時に働き、副交感神経は休息時に働きます。この2つがバランスよく切り替わることで、健康な状態が保たれるのですが、現代の生活習慣は、このバランスを大きく崩す要因に満ちているのです。

不規則な睡眠リズムは、自律神経の乱れの大きな原因となります。夜遅くまで起きている生活、日によって就寝時間や起床時間が大きく異なる生活は、身体の内部時計を狂わせます。本来であれば、夜になると副交感神経が優位になって身体は休息モードに入るのですが、夜遅くまで活動していると、交感神経が働き続けることになります。

睡眠不足が続くと、交感神経が過剰に働く状態が慢性化し、血圧は常に高めに保たれるようになります。また、十分な休息が取れていない状態では、脳の疲労も蓄積し、めまいやふらつきといった症状も現れやすくなります。

生活習慣 自律神経への影響 めまいと血圧への影響
不規則な睡眠 体内リズムの乱れ、交感神経優位の持続 朝のめまい、起床時の血圧上昇
偏った食生活 血糖値の不安定、栄養バランスの崩れ 食後のめまい、血圧の変動
運動不足 血流の悪化、自律神経の調整力低下 動いた時のめまい、安静時の血圧上昇
長時間の同じ姿勢 筋肉の緊張、血流の停滞 立ち上がった時のめまい、午後の血圧上昇
過度の飲酒や喫煙 血管の収縮、酸素供給の低下 慢性的なめまい、持続的な血圧上昇

食生活の乱れも、自律神経に大きな影響を与えます。特に、食事を抜いたり、不規則な時間に食べたりする習慣は、血糖値を不安定にさせます。血糖値が急激に上がったり下がったりすると、身体はそれに対応するために自律神経を働かせます。この繰り返しが自律神経に負担をかけ、調整機能を低下させていくのです。

また、塩分の多い食事や、加工食品中心の食生活も問題です。塩分を多く摂取すると、身体は血液中の塩分濃度を一定に保つために水分を溜め込もうとします。血液の量が増えることで血管にかかる圧力が高まり、血圧が上昇します。継続的に塩分の多い食事を続けていると、この状態が慢性化してしまいます。

運動不足も見逃せない要因です。適度な運動は自律神経のバランスを整える効果がありますが、運動不足の状態では自律神経の調整力が低下してしまいます。特に、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、筋肉が硬くなり、血流も悪くなります。すると、心臓はより強い力で血液を送り出そうとし、血圧が上昇するのです。

長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用も、自律神経を乱す要因となります。画面を見続けることは目に負担をかけるだけでなく、首や肩の筋肉を緊張させます。また、ブルーライトは交感神経を刺激し、特に夜遅くまで画面を見ていると、本来働くべき副交感神経が働かず、睡眠の質も低下してしまいます。

水分摂取の不足も、めまいと血圧に影響します。水分が不足すると血液の粘度が高まり、流れにくくなります。すると、心臓はより強い力で血液を送り出そうとするため、血圧が上昇します。また、脳への血流も不十分になり、めまいやふらつきの原因となります。

入浴の習慣も自律神経と深く関わっています。シャワーだけで済ませる習慣が続くと、身体の深部まで温まることがなく、筋肉の緊張もほぐれません。湯船にゆっくり浸かることで副交感神経が働き、身体はリラックスモードに切り替わります。この切り替えができないと、交感神経優位の状態が続き、血圧は高いままとなってしまいます。

気温の変化への対応も重要です。季節の変わり目や、冷房と外気温の差が大きい環境などでは、身体は体温を一定に保つために自律神経を活発に働かせます。この調整が頻繁に必要になると、自律神経が疲弊し、めまいや血圧上昇といった症状として現れることがあります。

これらの生活習慣は、一つ一つは小さな問題に思えるかもしれません。しかし、複数の要因が重なり、長期間続くことで、自律神経の乱れは深刻化していきます。自律神経は身体全体の調整を行っているため、その乱れは様々な症状として現れますが、めまいと血圧上昇は、その代表的なサインと言えるのです。

当院では、施術によって身体の構造的な問題にアプローチするとともに、生活習慣の見直しについてもアドバイスを行っています。身体の状態を整えながら、日々の生活を少しずつ改善していくことが、めまいと血圧の根本的な改善につながっていくのです。

4. 整骨院で行う具体的な施術内容

めまいと血圧の問題に対して、整骨院では身体の構造的な問題にアプローチする施術を行います。薬に頼らず、身体の本来持つ機能を取り戻すことを目的としており、根本的な原因に働きかける手技を中心に進めていきます。

当院では初回の施術前に、詳しい状態の確認を行います。どのような時にめまいが起こるのか、血圧がどの程度高いのか、日常生活でどんな不便があるのかなど、丁寧にお話を伺います。その上で、首の動きや肩の硬さ、姿勢の状態を細かくチェックし、一人ひとりに合わせた施術計画を立てていきます。

4.1 頸椎の調整による血流改善

めまいと血圧の問題において、首の状態は非常に重要な役割を果たしています。頸椎は7つの骨で構成されており、その間を通る血管や神経が脳へとつながっています。この頸椎のバランスが崩れると、脳への血流が妨げられ、めまいや血圧の異常を引き起こす原因となります。

頸椎の調整では、まず首の骨の配列を丁寧に確認します。どの部分にズレが生じているのか、どの方向に負担がかかっているのかを見極めることから始めます。触診だけでなく、頭を動かした時の制限や痛みの出方なども確認し、問題の本質を把握します。

調整の手法としては、急激な力を加えるのではなく、ゆっくりと持続的な圧をかけながら骨の位置を整えていきます。特に上部頸椎と呼ばれる、頭蓋骨に近い第一頸椎と第二頸椎は、脳への血流に大きく関わる部位です。この部分の調整を行うことで、椎骨動脈の流れがスムーズになり、脳への酸素供給が改善されます。

調整部位 主な効果 改善が期待される症状
上部頸椎 脳への血流改善、自律神経の調整 めまい、頭痛、吐き気
中部頸椎 首や肩の緊張緩和、神経圧迫の解消 首のこり、腕のしびれ、眼精疲労
下部頸椎 肩甲骨周辺の筋肉緩和、姿勢改善 肩こり、背中の張り、呼吸の浅さ

頸椎の調整後は、多くの方が首の動きが軽くなったと感じられます。施術直後から視界がクリアになる、頭が軽く感じるといった変化を実感される方もいらっしゃいます。ただし、長年の習慣で作られた身体のクセは一度の施術ですべて改善するわけではありません。定期的な調整を重ねることで、正しい状態を身体に記憶させていくことが大切です。

また、頸椎の調整を行う際には、周辺の筋肉の状態も同時に整えていきます。骨だけを動かしても、それを支える筋肉が硬いままでは、すぐに元の状態に戻ってしまうからです。首の深層にある筋肉から表層の筋肉まで、段階的にアプローチすることで、調整の効果を持続させます。

4.2 筋肉の緊張をほぐす手技療法

めまいと血圧が高い方の多くは、首から肩、背中にかけての筋肉に強い緊張を抱えています。この筋肉の緊張が血管を圧迫し、血液の循環を妨げることで、さまざまな不調を引き起こします。手技療法では、この筋緊張を根本から解消していきます。

施術では、まず表面の筋肉から徐々に深層の筋肉へとアプローチします。いきなり深い部分を刺激すると、身体が防御反応を起こしてしまい、かえって緊張が強まることがあるからです。最初は優しく皮膚の表面を滑らせるように触れ、徐々に圧を深めていきます。

特に重点的に施術を行うのが、後頭下筋群と呼ばれる頭の付け根にある筋肉です。この筋肉群は頭を支える重要な役割を持つ一方、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用によって非常に硬くなりやすい部位です。後頭下筋群が硬くなると、頭部への血流が滞り、めまいや頭重感の原因となります。

また、胸鎖乳突筋という首の前側にある筋肉も見逃せません。この筋肉は首を回したり、頭を傾けたりする動作に関わっており、緊張すると自律神経の働きに影響を与えます。胸鎖乳突筋をゆっくりとほぐすことで、呼吸が深くなり、リラックス状態へと導かれます。

対象筋肉 緊張の原因 施術のアプローチ
僧帽筋 長時間の同じ姿勢、ストレス 広い範囲を面で捉えながら、繊維の方向に沿ってほぐす
肩甲挙筋 肩をすくめる動作の繰り返し 肩甲骨の動きを確認しながら、深部まで圧を加える
斜角筋 浅い呼吸、首の前傾姿勢 呼吸に合わせて優しく圧迫し、リズミカルにほぐす
後頭下筋群 眼精疲労、首を前に突き出す姿勢 頭蓋骨の際から丁寧に指を入れ込み、持続圧をかける

筋肉の緊張をほぐす際には、ただ揉むだけではなく、筋肉の起始部と停止部を意識しながら施術を進めます。筋肉がどこから始まり、どこに付着しているのかを理解した上でアプローチすることで、より効果的に緊張を解消できます。

手技の中では、筋膜リリースという技法も取り入れています。筋肉を包む筋膜という組織が癒着すると、筋肉の動きが制限され、血流も悪くなります。皮膚の上から筋膜を引っ張るようにゆっくりと動かし、癒着を剥がしていきます。この施術を受けると、身体の可動域が広がり、動きが滑らかになる感覚を得られます。

また、トリガーポイントと呼ばれる、特に痛みや緊張の強い点に対しても施術を行います。この点を適切な強さで持続的に圧迫することで、筋肉の緊張が解放され、関連する領域の不調も改善していきます。めまいを訴える方の場合、首や肩のトリガーポイントが頭部へ影響を与えていることが多く見られます。

施術中は呼吸にも注目しています。息を吐く時に筋肉は自然と緩む性質があるため、深い呼吸を促しながら施術を進めます。緊張が強い方は呼吸が浅くなっていることが多いので、まず呼吸のリズムを整えることから始めることもあります。

4.3 姿勢矯正とバランス調整

めまいと血圧の問題を抱える方の多くに共通するのが、姿勢の歪みです。姿勢が崩れると、身体の重心がずれ、特定の筋肉や関節に過度な負担がかかります。この負担が蓄積することで、血流が悪化し、自律神経のバランスも乱れていきます。

姿勢矯正では、まず現在の姿勢の状態を詳しく分析します。立った状態で横から見た時、耳・肩・腰・くるぶしが一直線上に並んでいるのが理想的です。しかし、多くの方は頭が前に出ている、肩が前方に巻き込んでいる、骨盤が前後に傾いているなど、何らかの歪みを持っています。

特に問題となるのが、ストレートネックと呼ばれる状態です。本来、首の骨は緩やかなカーブを描いていますが、このカーブが失われて真っ直ぐになってしまうと、頭の重さを分散できなくなります。成人の頭の重さは約5キログラムもあり、首が前に傾くほど首や肩にかかる負担は倍増していきます。

頭の傾き角度 首にかかる負荷 起こりやすい症状
正常位置 約5キログラム 特になし
15度前傾 約12キログラム 軽い首のこり、疲労感
30度前傾 約18キログラム 慢性的な肩こり、頭痛
45度前傾 約22キログラム めまい、吐き気、血流障害

姿勢矯正の施術では、骨盤の位置を整えることから始めます。身体の土台である骨盤が傾いていると、その上に積み重なる背骨も歪んでしまうからです。仰向けやうつ伏せの姿勢で骨盤の位置を確認し、左右の高さの差や前後の傾きを調整していきます。

骨盤が整ったら、次は背骨全体のバランスを見ていきます。背骨は首から腰まで24個の骨が連なっており、それぞれが適切な位置にあることで、身体全体のバランスが保たれます。一つひとつの骨の位置を確認しながら、ずれている部分を優しく動かして調整します。

肩甲骨の位置も重要なポイントです。肩甲骨が外側に開いて前方に巻き込んでいると、肩や首の筋肉に常に負担がかかり続けます。肩甲骨を本来あるべき位置に戻すことで、上半身全体の緊張が解放されます。肩甲骨周りの筋肉をほぐした後、肩甲骨を動かすエクササイズも取り入れ、正しい位置で動かせるように導きます。

また、重心のバランスも確認します。立った状態で前後左右のどこに体重が偏っているか、片足立ちでバランスが取れるかなどをチェックします。重心が偏っていると、無意識のうちに身体が傾き、特定の部位に負担が集中してしまいます。

バランス調整では、身体の左右差を整えることも重視しています。利き手や利き足があるため、誰でも多少の左右差はありますが、その差が大きくなりすぎると、身体全体の歪みにつながります。左右の筋力差や柔軟性の差を確認し、弱い側を強化し、硬い側を柔らかくする施術を行います。

施術後は、正しい姿勢がどういう状態なのかを体感していただきます。鏡で横から自分の姿勢を確認したり、正しい立ち方や座り方の感覚を身体に覚えさせたりします。最初は正しい姿勢が違和感に感じることもありますが、これは長年の悪い姿勢に身体が慣れてしまっているためです。

姿勢矯正の効果を持続させるためには、日常生活での意識も欠かせません。座る時の姿勢、立つ時の重心の置き方、歩く時の身体の使い方など、具体的なアドバイスもお伝えします。特にデスクワークが多い方には、椅子の高さやモニターの位置、キーボードの配置など、作業環境の整え方についても詳しく説明します。

さらに、呼吸と姿勢の関係性についても指導を行います。姿勢が悪いと横隔膜の動きが制限され、呼吸が浅くなります。逆に、深い呼吸を意識することで、自然と姿勢が整ってくる側面もあります。腹式呼吸の練習を取り入れることで、自律神経のバランスが整い、血圧の安定にも良い影響を与えます。

姿勢矯正は一度行えば終わりというものではありません。長年かけて作られた身体のクセは、意識的に修正し続ける必要があります。定期的に施術を受けながら、自宅でのセルフケアも並行して行うことで、徐々に正しい姿勢が自然な状態として定着していきます。

当院では、姿勢の変化を記録するために、定期的に姿勢の写真を撮影することもあります。自分では気づきにくい変化も、写真で比較することで明確に確認できます。改善が目に見えることで、施術を続けるモチベーションにもつながります。

5. 自宅でできるめまいと血圧高い症状の予防法

めまいや血圧の問題を抱えている方にとって、整骨院での施術と並行して自宅でのケアを続けることは、症状の改善と再発防止に大きく役立ちます。ここでは、日常生活の中で無理なく取り組める予防法をご紹介します。

5.1 首や肩のストレッチ方法

首や肩周辺の筋肉が硬くなると、脳への血流が滞りやすくなり、めまいや血圧の変動を引き起こす原因になります。毎日のストレッチで筋肉の柔軟性を保つことが重要です。

5.1.1 首の横伸ばしストレッチ

椅子に座った状態で背筋を伸ばし、片方の手で頭の側面を優しく押さえます。ゆっくりと首を真横に倒して、反対側の首筋が心地よく伸びるのを感じながら20秒程度キープします。この時、肩が上がらないように注意してください。反対側も同様に行います。呼吸を止めずに、リラックスした状態で行うことが大切です。

このストレッチは朝起きた時や、長時間同じ姿勢でいた後に行うと効果的です。首の側面にある筋肉がほぐれることで、頭部への血流が改善され、めまいの予防につながります。

5.1.2 首の前後ストレッチ

まず顎を引いて、首の後ろ側を伸ばします。両手を後頭部に軽く添えて、頭を前に倒すようにサポートします。首の後ろから背中にかけての筋肉が伸びているのを感じながら、20秒ほど保ちます。

次に、顔を天井に向けるようにゆっくりと首を後ろに倒します。この時、首の前側が伸びるのを意識しながら、無理のない範囲で行うことが重要です。首を後ろに倒しすぎるとめまいを誘発する可能性があるため、違和感を感じたらすぐに中止してください。

5.1.3 肩の上げ下げ運動

両肩を耳に近づけるようにぐっと上げて、5秒間キープした後、一気に力を抜いて肩を落とします。この動作を5回繰り返すことで、肩周辺の緊張がほぐれます。肩こりが慢性化している方は、この運動だけでも首への負担が軽減され、血圧の安定につながることがあります。

5.1.4 肩甲骨のストレッチ

両手を背中側で組み、肩甲骨を寄せるように胸を張ります。組んだ手を下方向に引っ張りながら、肩甲骨の間の筋肉が縮むのを感じてください。15秒キープしたら、今度は両手を前で組んで背中を丸め、肩甲骨を広げるように意識します。

肩甲骨周辺の筋肉が柔らかくなると、首への負担が減り、自律神経のバランスも整いやすくなります。デスクワークの合間に取り入れると、疲労の蓄積を防げます。

5.1.5 ストレッチを行う際の注意点

注意項目 詳細内容
タイミング 入浴後など身体が温まっている時が最適。朝と夜の2回行うと効果的
強度 痛みを感じる手前の心地よい範囲で行う。無理に伸ばさない
呼吸 息を止めずに自然な呼吸を続ける。吐く息で筋肉の力を抜く
時間 1つのストレッチを20秒程度キープ。焦らずゆっくり行う
頻度 毎日継続することが大切。一度に長時間よりも短時間を複数回

5.2 正しい姿勢を保つためのポイント

姿勢の悪さは、首や肩への負担を増やし、自律神経の乱れを引き起こします。正しい姿勢を意識することで、めまいや血圧の問題を予防できます。

5.2.1 座り姿勢の基本

椅子に深く腰掛けて、背もたれに背中を軽く当てます。骨盤を立てて座ることで、背骨が自然なS字カーブを描くようになり、首への負担が軽減されます。足の裏全体が床につくように椅子の高さを調整し、膝が90度になるようにしましょう。

画面やデスクとの距離も重要です。パソコンの画面は目線よりやや下に設定し、顔が前に出ないようにします。スマートフォンを見る際は、端末を目の高さまで持ち上げて、首を前に倒さないようにしてください。

5.2.2 立ち姿勢のチェックポイント

壁に背中を付けて立った時、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとの4点が壁に触れている状態が理想的です。腰と壁の間には手のひら1枚分程度の隙間があるのが正常です。

日常生活では、頭のてっぺんから糸で引っ張られているイメージを持つと、自然と姿勢が整います。顎を引いて、肩の力を抜き、お腹に軽く力を入れることを意識してください。

5.2.3 寝る時の姿勢

仰向けで寝る場合は、首に負担がかからない高さの枕を選びます。枕が高すぎると首が前に曲がり、低すぎると首が反ってしまいます。首の自然なカーブが保たれる高さの枕を使うことで、睡眠中の血流が改善され、朝のめまいを防ぐことができます。

横向きで寝る場合は、肩の高さ分の枕が必要です。背骨がまっすぐになるように、枕の高さや硬さを調整してください。抱き枕を使うと、上側の腕や脚の重みが分散され、身体の負担が減ります。

5.2.4 日常動作での姿勢

物を持ち上げる時は、膝を曲げてしゃがんでから持ち上げます。腰を曲げて持ち上げると、首や肩にも負担がかかり、血圧が急上昇することがあります。洗顔や歯磨きの際も、中腰にならずに膝を軽く曲げることを意識してください。

料理や洗い物など、長時間立ち作業をする場合は、片足を台に乗せると腰への負担が軽減されます。定期的に姿勢を変えることも大切です。

5.2.5 姿勢を維持するための筋力トレーニング

正しい姿勢を保つには、体幹の筋力が必要です。簡単にできる運動として、壁に背中を付けて立ち、お腹に力を入れて腰を壁に押し付ける運動があります。10秒キープして10秒休憩を5回繰り返すだけでも、姿勢を支える筋肉が鍛えられます。

5.3 日常生活で気をつけるべき習慣

めまいや血圧の問題は、日々の生活習慣が大きく影響します。以下の習慣を見直すことで、症状の予防と改善が期待できます。

5.3.1 水分補給の重要性

血液の粘度が高くなると、血流が悪化してめまいや血圧の変動を引き起こします。こまめな水分補給により血液の流れがスムーズになり、脳への酸素供給も改善されます。

朝起きた時、就寝前、入浴の前後には必ずコップ1杯の水を飲む習慣をつけてください。日中も1時間に1回程度、少量ずつ水分を摂ることが理想的です。一度に大量の水を飲むよりも、少しずつ継続的に摂取する方が身体への負担が少なくなります。

5.3.2 食事のタイミングと内容

食後に血圧が下がることで起こる食後低血圧は、めまいの原因になります。一度に大量の食事を摂らず、腹八分目を心がけることが大切です。よく噛んでゆっくり食べることで、血圧の急激な変動を防げます。

塩分の摂りすぎは血圧上昇の要因となります。加工食品やインスタント食品には塩分が多く含まれているため、できるだけ自炊を心がけてください。野菜や果物に含まれるカリウムは、体内の余分な塩分を排出する働きがあります。

栄養素 働き 多く含む食材
マグネシウム 血管の緊張を和らげ、血圧の安定に寄与 海藻類、大豆製品、ナッツ類
カリウム 余分な塩分を体外に排出する バナナ、ほうれん草、さつまいも
タンパク質 血管壁を強化し、筋肉の維持に必要 魚、卵、豆腐
ビタミンB群 自律神経の働きを整える 豚肉、玄米、納豆
食物繊維 血糖値の急上昇を抑える きのこ類、根菜類、こんにゃく

5.3.3 入浴時の注意事項

熱いお湯に長時間浸かると、血圧が大きく変動してめまいを起こしやすくなります。お湯の温度は38度から40度程度のぬるめに設定し、入浴時間は15分以内にしましょう。

急に立ち上がると立ちくらみを起こす可能性があるため、浴槽から出る際は、まず浴槽の縁に座って一呼吸置いてから立ち上がります。脱衣所と浴室の温度差が大きいと血圧が急変するため、冬場は脱衣所を暖めておくことが重要です。

5.3.4 睡眠の質を高める工夫

睡眠不足や質の低い睡眠は、自律神経のバランスを崩し、めまいや血圧の問題を悪化させます。毎日同じ時間に就寝・起床する規則正しい生活リズムを作ることが基本です。

就寝前の2時間はスマートフォンやパソコンの使用を控えてください。画面から出る光は脳を覚醒させ、睡眠の質を低下させます。寝室の環境も重要で、室温は16度から26度程度、湿度は50パーセント前後が理想的です。

寝る前の軽いストレッチや深呼吸は、身体の緊張をほぐし、入眠をスムーズにします。ベッドの中でスマートフォンを見る習慣がある方は、この習慣を変えるだけでも睡眠の質が改善されます。

5.3.5 ストレス管理の方法

慢性的なストレスは自律神経を乱し、血圧を不安定にします。完全にストレスをなくすことは難しいですが、日々のストレスをため込まない工夫が必要です。

深呼吸は最も簡単で効果的なストレス対処法です。鼻から4秒かけて息を吸い、口から8秒かけてゆっくり吐き出します。この呼吸を5回繰り返すだけで、副交感神経が優位になり、心身がリラックスします。

趣味の時間を持つことも重要です。好きなことに没頭している時間は、ストレスホルモンの分泌が抑えられます。散歩や軽い運動、音楽を聴く、植物の世話をするなど、自分が心地よいと感じる活動を見つけてください。

5.3.6 急な動作を避ける習慣

朝起きた時や、座った状態から立ち上がる時は、ゆっくりと動くことを心がけます。急に立ち上がると、脳への血流が一時的に減少し、めまいを引き起こします。

朝の目覚めは、まず布団の中で手足を動かして血流を促してから起き上がります。ベッドの端に座って深呼吸を数回してから立ち上がると、立ちくらみを防げます。トイレで座った状態から立ち上がる時も同様に、一度立ち止まって様子を見る習慣をつけてください。

5.3.7 適度な運動習慣

定期的な運動は、血圧を安定させ、自律神経のバランスを整える効果があります。激しい運動は逆効果になるため、ウォーキングや軽いジョギング、水中歩行など、無理のない範囲で続けられる運動を選びましょう。

1日30分程度の有酸素運動を週に3回以上行うことが推奨されます。運動する時間がない場合は、通勤時に一駅分歩く、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中で身体を動かす機会を増やすだけでも効果があります。

5.3.8 気温変化への対応

寒暖差が大きい環境では、血圧が変動しやすくなります。冬場の外出時は首元を温めるマフラーやネックウォーマーを使用し、室内に入ったら衣服で調整します。

夏場の冷房も要注意です。冷房の効いた部屋と暑い屋外を行き来すると自律神経が乱れやすくなるため、羽織るものを持ち歩いて体温調節をしてください。首元を冷やさないことが、めまいや血圧の変動を防ぐポイントです。

5.3.9 定期的な身体のチェック

家庭用の血圧計を用意して、毎日同じ時間に血圧を測る習慣をつけると、自分の血圧変動のパターンが把握できます。朝起きた時と夜寝る前の2回測定し、記録をつけておくことで、生活習慣との関連性が見えてきます。

めまいが起こった時の状況や時間帯、その前の行動なども記録しておくと、自分のめまいの傾向がわかります。この記録は、整骨院で施術を受ける際にも役立つ情報となります。

5.3.10 アルコールとカフェインの摂取

アルコールは一時的に血管を拡張させますが、その後の血管収縮により血圧が変動しやすくなります。めまいや血圧の問題を抱えている方は、飲酒量を控えめにすることが賢明です。

カフェインも血圧を上昇させる作用があります。コーヒーや紅茶、緑茶を日常的に飲んでいる方は、1日の摂取量を見直してみてください。特に夕方以降のカフェイン摂取は睡眠の質を下げるため、避けた方がよいでしょう。

5.3.11 整骨院での施術との相乗効果

自宅でのケアと整骨院での施術を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。整骨院で身体の歪みや筋肉の緊張を整えた後、自宅でのストレッチや姿勢改善を続けることで、良い状態を維持できます。

施術を受けた後は、身体が変化しやすい状態になっています。このタイミングで正しい姿勢や生活習慣を身につけると、身体が良い状態を記憶しやすくなります。施術者からアドバイスされた自宅ケアは、必ず実践するようにしてください。

これらの予防法は、すべてを一度に始める必要はありません。まずは取り組みやすいものから始めて、少しずつ習慣化していくことが大切です。継続することで、めまいや血圧の問題が徐々に改善され、快適な日常生活を取り戻せるようになります。

6. まとめ

めまいと血圧高い症状でお悩みの方は、首や肩の筋緊張、姿勢の歪みが自律神経に影響を与えている可能性があります。整骨院では頸椎の調整や筋肉の緊張緩和、姿勢矯正を通じて、身体のバランスを整える施術を行っています。ただし、症状が続く場合や急激な変化がある場合は医療機関での検査が必要です。施術と併せて、日常生活でのストレッチや正しい姿勢の維持を心がけることで、より効果的な改善が期待できます。お困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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