当院には腰痛、膝痛など様々な症状のお悩みで来院される方がいますが、ほとんどの方の足が崩れています。
特に外反母趾で悩まれている方はたくさんいらっしゃいますね。
今回は、なぜ外反母趾になるのか原因を考えていきましょう。
患者さんもネット、書籍、知人から様々な情報を入手し、
「ハイヒールですよね。」
「女性は筋力が弱いからですか?」
「遺伝ですか?」
「靴文化が関係しているのですか?」
と様々なことを「~ですか??」「~ですよね??」と疑問形でおっしゃいます。
そうです。皆さん様々な情報に振り回され、何を信じていいか分からない状態になっているのです。
以前お伝えしたように、靴の伝統と文化がある欧米諸国では、足の学問「足病学」が発達しています。
そして足病学では、外反母趾の原因はデータに基づいた理論によってしっかり立証されています。
結論から申しますと、遺伝(体質)が一番の原因です。それに、様々な要素が影響し合って症状が進行していきます。
一つずつ確認していきましょう。
《男女差》
これは関係してきます。一番はホルモンの作用です。特に女性は妊娠出産の際に、赤ちゃんがちゃんと産道を通り抜けられるように、恥骨の靭帯を緩める【リラキシン】というホルモンを出します。
このホルモンの影響で特に出産後に外反母趾が進行する女性がたくさんいらっしゃいます。
《靴を履くこと》
足に合わない靴を履くことは関係してきますが、靴そのものを履くこと自体は関連性が薄いと言われています。
その証拠に、アフリカの裸足で生活する民族でも外反母趾が確認されているようです。
《ハイヒール》
これは、外反母趾になりやすい体質・骨格を増強する作用があります。
裏を返せば、素因がない方はハイヒールを履くだけでは外反母趾になりません。
また男性でも先の細い硬い靴を履けば、外反母趾になりやすくなります。
実際、ヒールの高いブーツや靴を履いていた中世の貴族の遺骨を確認すると外反母趾が確認されているそうです。(ルイ14世など)
《筋肉低下》
これは違います。
前提として、足の形は筋肉で維持されているわけではありません。その証拠に、通常の立位では足の筋肉の緊張はさほど見られません。
西洋のアーチ型の橋を思い浮かべてください。アーチは構造力学に基づく、圧縮力によって成り立つ構造物です。
足それ自体も積み木のような構造物です。
ただ、橋と違い運動性のある構造物ですので、強靭な靭帯で固定されています。靭帯は、一度緩むと弾力性や強度が低下し、以前より回復しずらい性質があります。
ですので、筋肉低下ではなく、足の靭帯が緩むことによて、足は崩れやすくなります。
《靴の履き方》
これはとても大きく関係します。
ぶかぶかの靴やヒモの結び方によって足は悪くなります。その結果、腰痛、頭痛などの症状を引き起こします(これは一大テーマですので、詳しくはまた別のコラムで)
その他、歩き方、激しい運動によっても起こりえます。(これらもまた別な機会に・・・)
《遺伝(骨格の特徴)》
様々なデータから、外反母趾のある方の90%には、家族にも外反母趾があることが分かっています。
親が目が悪いと、子も目が悪くなり眼鏡をかけることが多いように、親が外反母趾など足が悪いと、子も外反母趾になる傾向が強いということです。
中には、「私は父も母も外反母趾ではありません」という方がいらっしゃると思います。
しかし隔世遺伝ということも考えられます。
こどもは両親から遺伝情報をランダムに半分ずつもらうから、そういう事態が起こりえます。
いかがでしたか?
少しスッキリしましたか??
しかし「遺伝や体質が強く関係するならどうしようもないのか?」という新たな悩みが聞こえてきそうですね。
そんなことはありません。
靴文化が長い欧米諸国では、子供の頃から足のケアをする文化がしっかり根付いています。足病学に基づく医療用矯正具で、足を骨格から改善することが可能です。
詳しくは別のコラムで紹介しますね。
膝の整体のページもご覧ください
https://seikotsu-matsuyama.com/contents/hiza/
足と姿勢と食べ物を変えて、未来を変えていきましょう!!